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創薬・病態解析研究部門 部門長:後藤信哉



臨床的研究により「血小板細胞」機能阻害薬による心筋梗塞発症予防効果、出血イベント発症惹起率を定量化する。臨床的に示された薬剤による分子スケールの介入の有効性、安全性の構成論的理解を目指して、スーパーコンピューターと情報通信技術を用いる。すなわち、循環器の恒常性維持および心筋梗塞の発症既知の因子とシステムによる全身循環の恒常性維持のシステムの理解を目指す。心筋梗塞、脳梗塞などの発症メカニズムを循環系の恒常性維持のシステム内またはシステム破綻の結果としての構成論的理解を目指す。


 

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、上位と下位の運動ニューロンの変性脱落を特徴とする進行性の難治性神経変性疾患である。現在のところ、その治療薬・治療法は皆無である。本研究では、遺伝子改変マウスやコモンマーモセット及びALS患者由来のiPS細胞を駆使することにより、生体レベルでの複数の疾患発症要因の相互連関を明らかにし、発症機構に基づく新規ALS治療候補薬の探索を遂行する。その上で、新規低分子量化合物スクリーニング系を構築し、新規疾患治療候補薬の探索を遂行する。


 

抗癌剤抵抗性の尿路上皮癌に対するフェロトーシス誘導による新規治療戦略の構築を目的とし、将来的な臨床応用を見据えた基礎研究を主軸とする。具体的には、MUC1阻害およびフェロトーシスから細胞を保護するグルタチオンペルオキシダーゼ4(GPX4)の阻害によるフェロトーシス誘導は抗癌剤抵抗性の改善につながるか検討する。本研究によりフェロトーシスが尿路上皮癌のバイオロジーに広く関与することが明らかとされれば、MUC1、GPX4等を標的とした治療法の開発がすすむと推測され、今までの議論されてきた経路とは全く違った観点から、難治性尿路上皮癌の治療を大きく進歩させることを期待して取り組む研究である。


 

ヒトES/iPS細胞における個体差・性差を転写やエピゲノムの観点から明らかにすることで、神経分化病態モデリングやトランスレーショナルリサーチにおける基盤研究を行う。特に、代表的な女性のエピゲノム制御であるX染色体不活化に着目し、性特異的な分化指向性やX連鎖疾患メカニズム解明を目指す。ゲノム編集や次世代シーケンサーを用いて遺伝学的アプローチとゲノム科学を用いることで、機能および分子メカニズムの解明を行う。


 

炎症性腸疾患とは特に若年世代を中心に発症する難病指定疾患であり、現在日本を含む世界で大幅に患者数が増加している。発症要因として遺伝や西欧食などの環境因子、そして腸内細菌叢の乱れが背景に存在することが知られているが詳細はまだ理解されていない。その中で私は、炎症性腸疾患特有の腸内細菌叢の乱れがどのような宿主細菌免疫応答で、疾患病勢に影響を与えているのかを臨床及び基礎研究の両方で行っている。