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総合医学研究所は”若手の育成・支援”を推進しています。

お問い合わせはTEL.0463-93-1121

〒259-1193 神奈川県伊勢原市下糟屋143

総合医学研究所長 安藤 潔

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 総合医学研究所の理念は、東海大学医科学先端研究の中核拠点となるべく、ゲノム・再生医療・創薬における基礎・応用が一体となったトランスレーショナルリサーチを推進し、社会に貢献することです。そのため、医学系・生命科学系・理工学系の東海大学各学部の連携を推進し東海大学における医科学研究のさらなる活性化を図ること、医学部との連携を通じて若手医師の研究を活性化し幅広い人材育成の受け皿として機能することを運営目的とします。

 2016年度から部門名称から各部門の研究内容が可視化できるように、かつ新たに加わった若手の所員が部門内で協力を得つつ充分な力を発揮できるような組織構成を目指して、再生医療学研究部門、ゲノム解析研究部門、創薬・病態解析研究部門、血液腫瘍学研究部門、肝臓・腎臓病学研究部門の5つに再編しました。各部門には、医学部教員より実力と実績のある研究者17名(2019年度)を所員として配置し、さらに所員より推薦された研究員で構成しています。所員間の有機的な連携、創造的な融合を期待するため、研究所としての重点テーマ”ゲノム・再生・創薬”を掲げ、東海大学医科学研究分野の限られた人的リソースの中で、国際的に評価される附置研究所として機能させるべく運営しています。

<2018コアプロジェクト>
コアプロジェクトの選定は、“総合的に共同で研究できるプロジェクト”を条件として、2017年度の研修会・公開報告会で報告されたテーマの中から選定しました。 前年度の「第21回公開研究報告会」では、多くの研究グループで平山先生(先進生命科学研究所長)との共同研究が進んでいることが印象的でした。特に酒井准教授のグループの研究テーマである“椎間板変性疾患の治療薬IL-17”は、免疫現象、炎症、がん悪液質など多面的な生命現象に関与するサイトカインで、関連するアイデアは所員の中にも幅広くあることから「椎間板の再生医療:iPS技術、In Silico創薬による新展開」を2018年度のコアプロジェクトに選定しました。
 酒井准教授の研究グループは、椎間板ヘルニアの病態解明から端を発した、インターロイキン17の阻害療法での創薬研究を開始し、先進生命科学研究所と総合医学研究所との共同研究によりIn Silico創薬と再生医療の融合により新規化合物を発見しました。これにより外部資金を獲得し製薬企業と共同開発が進行しています。さらに特許(Suyama et al. 2018)を申請、2018 Berton Rahn Research Award.・2018年度東海大学松前重義学術賞を受賞するなど、大きな成果を挙げました。
 コアプロジェクトの成果として得られたIL-17阻害薬は今後も所員間の共同研究のテーマとなり、神経疾患、消化管疾患などさまざまな免疫関連疾患モデルを用いて臨床応用の可能性を拡げていく予定です。

<若手の育成・支援プロジェクト>
2015年度より総合医学研究所の達成目標の1つである若手の育成・支援を目的に「特別研究所員(時限付)制度」を設けました。若手でおもしろい研究テーマを持っていて、実際にそれを実行できる先生方を育成する新しい取り組みです。毎年100万円ずつ3年間研究費を保障し、所員会議や各研究会で研究活動を報告します。特に研究の時間をつくることが難しい若手の臨床医が選任されれば、3年間研究ができる環境が保障されるという条件付きなので、若い先生にとっては大事な3年間になると思います。

将来に亘って活動性に富む研究所を運営するためには、新たな人材の確保、特に優秀な若手研究者の参加と育成が重要です。2018年度は関根佳織講師(生体構造機能学)中川草講師(分子生命科学)、2019年度は長谷川政徳講師(泌尿器科学)を特別研究所員(時限付)に登用しました。今後もゲノム・再生・創薬といった分野にかかわる若手研究者を医学部の中で育てて行きたいと考えています。

<研究会・座談会の開催>
研究活動を活発化するために外部機関や学部間の人材(研究者)交流の推進を達成目標として、研修会、公開研究報告会、並びにシンポジウム(2年に1回)を開催しています。その結果、所内研究者・学内研究者・学外研究者間の密な交流、若手研究者の育成、学内・学外研究者との共同研究・連携が実現し大きな成果を上げています。

2018年度は、これまで伊勢原キャンパスで1日のみの研修会を開催していましたが、所員らの強い希望により1泊2日の研修会を再開しました。多くの研究者から宿泊研修の希望が出されたことを嬉しく思います。それぞれの研究について腰を据えて意見を交わすことは、新たな視点に気づくとともに、研究者同士のコラボレーションやネットワークの構築につながります。また交流と親睦を深める大変良い機会です。

上記研究会に加えて、幅広く情報を発信する事を目的に「座談会」を開催しています。この活動は2007年5月「トランスレーショナルリサーチを実践する東海大学総合医学研究所の研究活動」をテーマに第1回目の座談会を実施しました。この記事(科学新聞)が文部科学省や多くの関係機関に配信された事で、総合医学研究所ばかりでなく東海大学全体のアピールに繋がり、また将来の医学研究の方向性を明確にしました。今後も大変重要な広報活動の1つとして、メンバーを入れ替えて実施する方針です。

所員間の緊密な共同研究により多大な成果が得られ,国際的にも評価の高い雑誌に論文が掲載されたことは、研修会やシンポジウムを通じて、若手をはじめ研究者間の連携・交流、活発に議論できる環境づくりの成果だと自負しています。このような環境を促進する意味でも、今後とも東海大学全体の生命科学分野での重要な研究会とし、”研究の峰”のライフイノベーション研究に貢献したいと考えています。

<2019年度方針>
総合医学研究所は、ゲノム・再生・創薬の3つをテーマとして医科学研究を行っています。東海大学の強みであるこの3領域のアクティビティの高い研究者が所員として構成されていることから、2019年度はそれぞれの領域にとどまらず、3領域相互の共同研究をより発展させていきたいと考えています。具体的には2019年度のコアプロジェクトの選定条件として、そのような共同研究を促すテーマを選定する予定です。また、若手育成・支援プロジェクトにおいても、それぞれの領域のエキスパートからの支援を受けやすくしたいと考えています。この結果、より多くの高いレベルの研究業績を産み出すこと、1つのテーマに対して様々な視点からのアプローチを可能とする体制を目指します。